宮城県亘理郡山元町 S様邸
数百年前に建てられ、現代まで山元町に残る歴史ある家屋です。
昔職人の「技」が沢山込められていて、S様邸に伺うたびに感激しています。
長い長い年月の間に多くの地震や雨、風などにも耐えた家屋。
職人技術の宝を壊ずに、住み受け継ぐS様は本当に素晴らしい方です。
今日は、この家の魅力を少し紹介させていただきます。
床脇
海老束
アップにすると…
床の間の脇にもうける違い棚は、名前のとおり2段になっています。
上下をつなぐ短い束を「海老束」もしくは「雛束」と言います。
昔は上の段も下の段にも置く物が決まっていたようです。
筆をおいたときに落ちないようにと「筆返し」が付いています。
下の段とを「海老束」が結びますが、飾り的な要素が多く、
細かな部分に大工の技が見えます。
ケヤキの材料を使い、中に丸い玉を、彫っています。
この丸い玉は動きます。
素晴らしい。これが本物の大工の技です。
床の間
天井が網代天井になっております。
網代とは、竹や樹皮を薄く剥いだものを
縦横または斜めに組んで編んだものです。
その時に現れる模様を網代模様と言い
茶室や床の間の天井などに用いられる事が多いです。
その由来は、川の瀬にて魚を捕るため竹や木を編んで
網の代りに立てた漁法から名付けられたといわれています。
お風呂(外観)
お風呂(内観)①
五右衛門風呂です。
壁には漆喰を塗ってあります。
お風呂(内観)②
天井には、ふさいでありますが湯気出しがあります。
今でも、時々この五右衛門風呂に入るそうです。
トイレ
古民家は、1つ1つ細部まで、繊細につくられています。
左側だけはわりと新しい物だと思います。
以前にも紹介しましたが
S様邸の庭にある一本松。
一本の松の木から出来た「帆掛け船」
数百年以上に渡って風雪に耐えてきた、この松の木。
また百年後も今の姿を後生の人々に見せてほしいと願います。
下の画像は京都にある船の形をした「陸舟の松」です。
方丈の北側に建てられている書院の庭に「京都三松」の一つ。
足利義満手植えと伝えられる松の木です。
勝るとも劣らないと思いませんか?!
日本の伝統や地域の歴史を今に伝えるもの
それらはご家族にとってかけがえのない財産です。
大切にしていきたいものですね。
大工の技、知識を紹介しました(*^_^*)
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